この記事ではからだにとって有害な化学物質が経皮吸収されてしまった後、その物質がどうなるのかについて書いていきます。
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分子量が小さいと通り抜けてしまう
皮膚のバリアーにある細胞膜の特性として「分子量500以上の大きな物質は通さない」というのがあり、これが皮膚のバリアー機能となっています。
これは同時に「分子量が500以下の物質は通してしまう」ということになります。
皮膚のバリアーを破壊してしまう溶解剤(プロピレングリコール)は分子量が76.1、合成界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)は288.4と分子のサイズが小さく、これらの物質は細胞や細胞膜の隙間を難なくくぐり抜けて浸透してしまいます。
蓄積してしまう脂溶性物質
細胞膜は脂質でできており水分の侵入は拒めますが、脂溶性の物質は吸収してしまいます。
さらに、脂溶性の化学物質が細胞膜を作っているリン脂質という脂質と融合してしまうと細胞膜は破壊され、有害な物質が侵入しやすくなってしまいます。
そのため、分子が小さく水にも油にも溶ける性質のある溶解剤のプロピレングリコールは、外用薬に用いられることで皮膚の中に容易に侵入し、細胞膜を破壊することで薬用成分を効率よく体内に浸透させることができます。
そしてこの効果に気付いた企業は、この物質を化粧品や日用品に使うことでそれらの製品に含まれる成分をからだに浸透させて製品の効力を上げることができたのです。
しかしそれと同時に製品に含まれる有害物質もからだが吸収してしまい、様々な害が出てくるようになったのです。
市販の入浴剤やバス用品が危険なわけ
実は皮膚の温度が上がるだけでも経皮吸収率は上がり、皮膚の温度が10度から37度に上昇すると吸収率は10倍になるといわれているので、皮膚温度が高くなっている入浴中は気を付けなければなりません。
シャンプー・リンス・ボディーソープ、そして入浴材にはたくさんの合成化学物質が入っており、肌トラブルを引き起こしています。
入浴時に化学物質が多く含まれた入浴剤を使うと、ラウリル硫酸ナトリウムが全身の角質を破壊し、そこにプロピレングリコールが有害物質を運んできます。
さらに性器は経皮吸収率が体の中で最も高い場所なので、特に女性には気をつけていただきたいです。
この入浴剤は一切化学物質が入っておらず、天然成分100%の入浴剤なのでおすすめです。
皮膚バリアーを通り抜けた化学物質の行方は?
角質層を突破した物質は細胞自体の中に染み渡り、隣り合った細胞を伝わって内部に侵入するか、細胞と細胞の間の隙間を通って体内に入ってくるパターンがあります。
経皮吸収された物質はそのまま皮下組織に蓄積するものと、そこから少しづつ血管やリンパ管を通って少しづつからだ中に行き渡っていくものがあります。
皮膚から入り皮下組織に蓄積された化学物質は、10日かかって10%も排出されないといわれています。
経皮吸収は肝臓を通過して解毒されないため、体外に排出するのがとても難しいです。
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日用品としてほとんどの人が石鹸またはボディーソープ、シャンプー・リンスを使っていると思いますし、それに加えて女性は化粧品も使っています。
これらの製品の多くは化学物質が多く含まれていて、使うことで化学物質がからだに蓄積していき、毎日使うことで解毒処理が間に合わず、蓄積する化学物質の方が多くなっていきます。
そして有害な化学物質が一定まで蓄積してしまうと皮膚トラブルやアレルギーを引き起こしてしまうことがあります。
それらの症状はすぐに出ないために最初はなかなか気づきません。
症状が出てしまった時にはからだの中にはかなり化学物質が蓄積されており、排出するのに時間がかかってしまいますし、様々な日用品に含まれる化学物質により複合的に汚染されているので原因を特定するのが難しくなってしまいます。
まずはシャンプー・リンスなどのバス用品など毎日使うものから見直してしていきましょう。
私はこちらの化学物質無添加の石鹸ボディーソープ、シャンプー・リンスを使っています。
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有害化学物質は脳にまでも侵入する
人間の脳は60%が脂肪でできているので、脂溶性である有害化学物質が体内に入ってきた時、千数百億個の脳細胞はその影響を受けてしまいます。
脳には血液脳関門という脳に害のある物質を検査する関所のようなものがありますが、脂溶性の化学物質は脂肪に溶け込んで脳内に侵入してしまいます。
特に胎児や乳幼児の脳には脂溶性化学物質が蓄積されやすく、これが今増えている、自閉症、多動症、学習障害、適応障害の原因とされています。
近年では子供たちによる犯罪も増えていて、感情の抑制が効かずにキレやすい子供も増えています。
脳の専門家たちも、小さいうちから脳に有害な化学物質が入り込んでしまうことで脳を作り上げていく過程で正常な発達に悪影響を及ぼし、脳の広範囲で複雑な神経機能に支障をきたして知能低下や異常行動を引き起こしてしまう可能性があると指摘しています。
それにより知能低下や異常行動
さらに、近年加齢とともに増加しているアルツハイマー病以外に、明らかに加齢が原因とは思われない若年性認知症、パーキンソン病(日常の動作に障害が出る病気)も増加しています。
脳はまだまだ解明されいないことが多くこれらの病気が100%化学物質の影響とは言えませんが、私は経皮毒は多かれ少なかれ脳にも悪影響を及ぼしていると思っています。
まとめ
- 皮膚のバリアーである細胞膜は分子量500以上の物質は通さないが、日用品に含まれる合成化学物質は皮膚に侵入できるようにつくられており分子量が500以下なので、侵入してしまいます。
- さらに合成化学物質は脂溶性なので、皮膚の中に浸透した先にある脂質でできた皮下組織に蓄積されてしまい、一部は血管やリンパ管を通ってからだ全体へ化学物質が行き渡ってしまいます。
- 皮膚は温度が上がると経皮吸収率が上がってしまうのでバス用品や入浴剤には気を付けましょう。
- 皮下組織に溜まった化学物質は、皮下組織の解毒能力が弱いためほとんど排出されず、一定量の有害化学物質が蓄積してしまうとアレルギーなどの形となってからだに害をもたらします。
- 脳には、脳にとって有害な物質を通さない血液脳関門があるが、血液を通って入ってきた化学物質は脂肪に紛れてその脳関門を突破してしまい、60%が脂肪でできている脳にも蓄積してしまいます。特に胎児や乳幼児にとっては危険なので親は責任をもって気を付けましょう。
経皮毒については知れば知るほど怖くなってきます。
周りを見てみれば肌トラブルを抱えている人が多くいることに気付きますし、その他の体の異常についても同じことがいえます。
できることから始めていきましょう!!
あなたの健康を願っています。