世界の朝食の歴史もみてみよう
『一日一度の食事は天使の生活、二度の食事は人間の生活、三度、四度、それ以上は獣の生活である』
と語り伝えられているそうです。
ドイツにも古くからのことわざで、「一日三食のうち二食は自分のため、一食は医者のため」というのがあります。
ヨガの教訓では「腹八分で医者いらず、腹六分で老いを忘れる、腹四分で神に近づく」と伝えられています。
色々な国で、大昔にすでに「食べ過ぎがよくない」ということに人間は気づいていることがわかりますね。
イギリスのD’Arcy Power氏の著作〖医学史の基盤〗では
『たとえば、ローマ人は、軍務に服しているときには、プランディウム(朝食抜きでの昼食)をとり、あるいは庶民生活を送っているときには、一日の仕事を終えてから、コイナ(主の食事)をとっていたのである』
とあります。
当時のローマの人たちは、仕事が終わって早めの夕食だけですましていたのです。
それが徐々に遅くにずれていき、今では昼食も食べるようになったようです。
しかし、今でもイタリアの人たちは朝食を食べないようで、食べてもビスケットとカプチーノぐらいですませるようです。
その代わりに昔からの習慣で、夕食には時間をかけ団欒の時間とし、たくさん食べるそうです。
『朝食は、ごく最近まで、従属的な食事であった。事実、この語が初めて用いられたのは、せいぜい一四六三年以来のことにしかすぎない。サクソン人、およびノルマン人は、空腹のままで多くの仕事をやっていたものである。彼らは薄明とともに起床して、多くの場合午前十一時、または正午まで、ほとんどあるいはまったく食事をとらなかった。朝食というものがはじめて現れたのは、エドワード四世の母君に当たらせられるヨーク公妃に関してである。公妃は「気を晴らされるため」何かをとられたという』
最初にイギリスでは王族が少しの食事をとりはじめたことからはじまり、 一六世紀中ごろにはそれが少しづつ一般化していったようです。
朝食をとりはじめた貴族にいたっては、さらに贅沢なものを食べるようになり、朝からぶどう酒、肉、魚、パンなどをとっていました。
しかしそんな贅沢な朝食を続けていくうちに、中風が現われはじめ、中には脳溢血を起こして倒れる人が続出し、再び食事は軽い食事になりました。
一八世紀には朝食は習慣化し、現在イギリス人はしっかりとした朝食をとるようです。
日本の朝食の歴史の記事で述べた、江戸患いの時も同じですが、昔は、朝から美食を堪能していた貴族たちが食べすぎにより、病気になっていたのですね。
このことから私たちも、朝からたくさんの朝食をとるとどうなるのかということを学べますね。
あなたの健康を願っています。
引用元
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