昔の人は食品の保存を長引かせるために知恵を使い、塩や砂糖、香辛料ををうまく使って食材を長く保存させていました。
しかし、その保存方法では長期的に保存できる食材は限られています。
現在では保存料という添加物ができて、保存性の低い食品も日持ちが長くなり、そのおかげで24時間私たちはいつでも食べ物を購入することができるようになり、とても便利になりました。
私は20歳で一人暮らしを始めて、その頃は料理もできずコンビニやスーパーで買った食品を毎日のように食べていました。
それから難病である潰瘍性大腸炎になって、それを自分で治そうと決めてからは食品添加物を口にすることを出来る限り少なくするようになりました。
食品添加物はありとあらゆる食品に使われていて、全部避けには、外食をしないで全て自炊をするか、お金に余裕があって自然派のレストランで食事をし続けない限り不可能に近いでしょう。
そこで、最低限避ける添加物を私は決めて避けているのですが、「保存料」はその中の1つであり、複数ある保存料のどれもが毒性が高いです。
保存料の使われている食品はぜひ避けていただきたいので、ぜひ目を通してみてください。
保存料の危険性
保存料には、細菌やカビなどの微生物が繁殖するのを抑えて、食品が腐るのを防ぐ効果があります。
しかし、保存料として使われている添加物はどれもそれなりに毒性が強く、内臓に悪影響を及ぼす可能性のあるものが多いので、毎日摂取すると健康を害する危険性があります。
ここで紹介しているのはどれも多くの食品に使われているものなので、覚えてもらいたいです。
安息香酸
安息香酸が発見されたのは1608年で、エゴノキ科アンソクコウノキの樹脂に含まれていますが、現在は化学合成されています。
水によく溶け、各種の微生物の増殖を抑制する効果があることが1875年に発見されました。
食品のpH値が低い(酸性なほど)ほど効力が増します。
キャビア、マーガリン、シロップ、清涼飲料水、シロップ、醤油などに使われています。
安息香酸と、次に紹介する安息香酸Naを含むエサを犬に与えて250日間育てた実験では、与えた量が体重1㎏あたり1gを超えると、運動失調(手が震えたり、正常に歩けなくなるなど)やてんかんのような痙攣を起こして死亡する例がありました。
食品にはわずかしか安息香酸は添加されませんが、長期間にわたってとり続けた場合にはそのような影響が起こることが心配されます。
他にも、安息香酸はビタミンC(アスコルビン酸)と反応すると発ガン物質になることがわかっています。
2006年3月に、イギリスで清涼飲料水に添加されていた安息香酸とビタミンCが化学反応を起こし、発ガン物質のベンゼンになっていたことがわかって製品が自主回収される騒ぎがありました。
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/chemical/benzene/benzene_drink.pdf
安息香酸の含まれている飲み物は避けるに越したことはありません。
安息香酸Na(ナトリウム)
安息香酸にNaを結合させたもので、清涼飲料水、栄養ドリンク、キャビア、シロップ、醤油、菓子製造用の果実ペーストにも使用され、水に溶けやすいです。
こちらも毒性が強く、ラットに安息香酸Naを2%および5%含むエサを食べさせた実験では、5%群ではすべてが過敏状態、尿失禁、痙攣などを起こして死亡しました。
もちろん食品に添加されている量は安全な基準量ですが、実験結果からみて、微量でも胃や腸などの粘膜への悪影響が心配されます。
しらこたん白(プロタミン)
しらこたん白は、ベニザケ、シロザケ、カツオ、ニシン、アイナメ、カラフトマスなどの精巣(しらこ)の中の核酸や、プロタミン、ヒストンなどのアルカリ性タンパク質を酸性水溶液で分解して、さらに中和してえられたものです。
「しらこ」や「プロタミン」とも表示されます。
デンプン系の食品、魚肉練り製品、惣菜、弁当、おにぎり、生めん類などに使われています。
効果としては、「ネト」と呼ばれる微生物が増えることによって生じるネバネバ現象の発生を遅くします。
しかし、この細菌の増殖を防ぐ効果が毒性になります。
ラットにしらこたん白を0.625%、1.25%、2.5%、5%を含むエサを13週間与えた実験では、白血球の減少、肝重量の減少、肝細胞の萎縮、また血液中の酵素活性の低下が見られました。
ソルビン酸
画像の「ナナカマド」という実の未成熟果汁中にソルビン酸は存在します。
ナナカマドは学名が「sorbus commixta」といい、ここから「ソルビン酸」と名付けられました。
現在では化学合成されていて、抗菌力はあまり強くないですが、水によく溶け、カビ、酵母、細菌などに幅広く効くため、様々な食品に使われています。
さつま揚げ、ちくわ、はんぺん、かまぼこなどの魚肉練り製品、チーズ、キャビア、ジャム、魚介乾燥製品など多くの製品にカビ発生の防止として使われています。
マウスに体重1㎏あたり0.04gを、毎日17ヶ月間与えた実験では、体重の増え方が鈍り、肝臓や腎臓、精巣が小さくなりました。
人間の場合でも、食品からソルビン酸を摂り続けた場合、同じような影響を受ける可能性があります。
ソルビン酸を落花生油、または水に溶かし、それをラットの皮膚に注射した実験では、注射したところにガンが発生しました。
これは皮膚への注射による実験なので口から摂取した場合とは条件が異なりますが、発ガン性のある危険性はあるかもしれません。
ソルビン酸K(カリウム)
名前の通り、ソルビン酸にカリウムを結合させたもので、ソルビン酸よりも水に溶けやすく、汁の多い漬物や、シロップ、ジャム、ワイン、佃煮、チーズ、ハム、ソーセージなど多くの食品に腐るのを防ぐ目的として使われています。
ラットにソルビン酸カリウム5%含むエサを3ヶ月食べさせた実験では、体重の増え方が悪くなりました。
これは、ラットの食欲が低下したか、消化管のはたらきが悪くなったためと考えられています。
ソルビン酸カリウムには動物の細胞の染色体を切断したり、細菌の遺伝子の修復を妨げる作用があり、これは人間の細胞の遺伝子を突然変異させ、細胞をガン化させる可能性があります。
ツヤプリシン(ヒノキチオール)
ツヤプリシンは、ヒノキ科のヒバの幹枝または根から、アルカリ性水溶液と溶剤で抽出して得られ、「ヒノキチオール」ともいわれます。
妊娠マウスに、オリーブ油に溶かしたヒノキチオールを体重1㎏あたり0.42g~1gの割合で1回口から与えた実験では、生まれた子に、口唇列(こうしんれつ:口が割れた状態で生まれてくる)、短尾、手足の減少などが見られ、催奇形性(胎児に奇形が起こる毒性)のあることが認められました。
パラベン
パラペンの正式名称は「パラオキシ安息香酸」です。
パラベンは複数種類があり、添加物として認められているものは、イソブチルパラベン、イソプロピルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、プロピルパラベンの5品目です。
清涼飲料水、シロップ、果実・果菜の表皮、果実ソース、醤油などに使われます。
ラットにイソプロピルパラベンを2.5%及び5%を含むエサを13週間食べさせた実験では、肝臓に障害がある時に増える値であるγ(ガンマ)‐GTPが増えました。
エチルパラベンを2%含むエサをラットに食べさせた実験では、最初の2ヶ月間は成長が悪くなりました。
ブチルパラベンの場合は、8%を含むエサをラットに食べさせた実験で、オスは全てが死亡し、メスも多くが死亡しました。
プロピオン酸
自然界に微生物の代謝産物として存在し、醤油、味噌、チーズ、ぶどう酒、パン生地などの発酵食品に含まれています。
カビや芽胞菌(耐熱性の細胞を作る細菌)の発育を阻止しますが、パンの発酵などに使われる酵母にはあまり影響を及ぼさない特徴があります。
洋菓子、パン、チーズに腐敗を防ぐために使われます。
国際化学物質安全性計画(IPCS)が作成した国際化学物質安全性カード(ICSC)には、プロピオン酸を人間が口から摂取した場合、「胃痙攣、灼熱感、吐き気、ショックまたは虚脱、咽頭痛、嘔吐を起こす」と記載してあり、かなり危険性の高い物質です。
プロピオン酸Ca(カルシウム)
洋菓子、パン、チーズに腐敗を防ぐために使われていて、毒性もプロピオン酸と同じ程度です。
プロピオン酸Na(ナトリウム)
洋菓子、パン、チーズに腐敗を防ぐために使われていて、毒性はプロピオン酸よりも強いと言われています。
ポリリジン
正式名称はε(イプシロン)ポリリシンで、放線菌という最近の培養液から分離して得られます。
デンプンを原材料にした食品などに、腐敗を防ぐ目的でよく使われている天然保存料です。
細菌、酵母に対して有効ですが、カビにはあまり効果がありません。
弁当、具入りおにぎり、調理パン、菓子パンなどに使われています。
ラットにポリリジン5%含むエサを3ヶ月間食べさせた実験では、食欲が衰え、体重の増え方が悪くなりました。
血糖値や血中リン脂質が減り、肝臓や甲状腺の重量も減少し、さらに白血球の数も減少しました。
また、2%を含むエサを別のラットに食べさせた実験でも、体重の増え方が悪くなりました。
ラットに対してこの反応なので、人間にも悪影響を与える可能性があります。
保存料の避け方
保存料はとても多くの食品に使われているにもかかわらず、毒性が強いことがわかっていただけたと思います。
安息香酸は栄養ドリンクのほとんどに入っているので、疲れた時などに栄養ドリンクを飲む習慣のある人は、やめてください。
身体に悪影響を与える可能性が高いです。
今では添加物を使わずに保存期間を高める技術も多くあり、「保存料不使用」と表記されている商品も増えてきました。
保存料の使われている食品を避けるには、しっかりとパッケージの裏に書かれている表示を見ることです。
まずは、普段自分がよく口にしている食品に保存料が使われていないかチェックして、出来るところからでいいので、少しづつ保存料の使われている食品を買うのを減らしていきましょう。
あなたの健康を願っています。
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