消化酵素について前の記事で書いたのでその続きになります。
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生命活動を行うために必要な代謝酵素
私たちのからだは常に新陳代謝が行われています。
新陳代謝とは、小腸で吸収された栄養素が血液によって全身に運ばれて、それが骨や筋肉や内臓を作ったり、呼吸、話す、考えるなどの日常活動、自己免疫力や自然治癒力の促進、そして細胞分裂をして新しい細胞に入れ替えることです。
新陳代謝によって私たちのからだの細胞は1日に1~2兆個の細胞が消滅し、それと同じ数の新細胞が作られているといわれています。
これは代謝酵素のはたらきによって行われているのです。
代謝について説明をすると、難しくいうと「生命維持のために有機体が行う一連の化学反応」、わかりやすくいうと「エネルギーの生産と消費」です。
これは高校の生物で習いましたが、大きく分けて「異化」と「同化」というものに区分されます。
「異化とは分子をさらに細かく分解してエネルギーを取り出す代謝過程」の事で、炭水化物を例に挙げて説明すると、細胞は吸収した糖を分解して二酸化炭素と水にします。
この分解する異化の過程で生命活動に必要なエネルギーが生み出され、残った二酸化炭素と水は体外に排出されます。
もっとわかりやすい例を挙げると、走っている時に呼吸をすることで筋肉を分解してエネルギーを作り出し、口から二酸化炭素と水蒸気(水)を吐き出すのが異化です。
そして同化は異化とは逆で、「同化とは、バラバラの物質を、異化によって作られたエネルギーを使って新たな組織を作り出すこと」です。
動物が食べ物の栄養や、呼吸から得たエネルギーを使って骨や筋肉を作ることや、植物が太陽エネルギーを利用して、二酸化炭素と水から酸素とブドウ糖を作り出すこと(光合成)も同化です。
私たちのからだは何度もからだの中で化学反応をし、物質(三大栄養素など)を壊したり作り直したりして生命エネルギーを作り出して生きているのです。
代謝酵素は各細胞、各組織に存在しており、動脈内では100種類以上の酵素があり、一つ一つが役割を持ってはたらいています。
心臓、脳、腎臓、肝臓などの各臓器には1000種類以上の酵素が存在しているといわれ、これはあくまで酵素の種類であり、酵素自体の数は計測できない程膨大な数です。
からだの各部位に存在している酵素たちはそれぞれの部位の場所で常に100万種類以上の化学反応を行っており、人間の生命活動の役割を担っているのです。
エネルギー回路と酵素の関わり
それではエネルギーが作られる過程ではどのように酵素が関わってくるのかを書いてみたいと思います。
食事をしてそ食べ物から三大栄養素が小腸で炭水化物はブドウ糖、タンパク質はアミノ酸、脂肪は脂肪酸に変換されてから吸収されます。
その後ブトウ糖は一部がグリコーゲン(貯蔵するための糖質の形)として肝臓で蓄えられ、それが状況に応じてグルコース(ブドウ糖)という物質に再び変換されて肝臓から血液中に放出されて全身の細胞に送られます。
このグルコースは生きるためのエネルギーの原料であり、この原料をエネルギーとして使えるようにするためにたくさんの酵素が必要になってきます。
まず小腸から送られてきたブドウ糖を肝臓でグリコーゲンに変えるときには、グリコーゲンシンターゼなど5つの酵素が必要で、そのグリコーゲンをグルコースに変え、血液中に放出する時にはグリコーゲンホスホリターゼなど3つの酵素のはたらきが関わってきます。
そして全身に運ばれたグルコースがそれぞれの細胞でミトコンドリア(ここで細胞の活動に必要なエネルギーが生成される)にあるクエン酸回路でエネルギー源のATP(アデノシン三リン酸)に代謝(生成)されるまでには、何十種類もの酵素が関わっており、それらの1つでも欠けると重大な機能障害が起こってしまいます。
過度な運動は寿命を縮める⁉
私はプロの格闘家として週に6日間、1日3~4時間練習していた時期がありました。
しかもこの時仕事は建築系の中でもかなりキツイ職種に就いており、毎日がもの凄くハードな生活でした。
今考えればこれも私が病気になってしまった理由の1つだと思っています。
これだけ1日中からだを動かしていたら、からだにかなりの負担がかかっていたのはわかっていましたが、酵素の事を知ってから、過度な肉体への負荷がからだにどのような影響を与えるのかがわかるようになりました。
代謝が多いと短命化するという事実
トロント大学のマッカーサー氏とベイル氏のチームがミジンコを使った実験をして、ラブナーの法則という「代謝酵素の消耗が短命と関係する」ことを証明しました。
実験の内容はミジンコを温度別のシャーレの中に入れて育てるというものです。
実験結果は、8度の温度で育てられたミジンコは108日間生きたのに対し、28度の温度で育てられたミジンコは26日間しか生存できませんでした。
108日間生きたミジンコは1秒間に2回心臓を鼓動させていましたが、26日間しか生存できなかったミジンコは1秒間に7回心臓を鼓動させていました。
この結果で、ミジンコは一生の内約1500万回心臓を鼓動させると死に至るということがわかりました。
心臓を動かすためにはもちろん酵素が必要で、酵素は温度が低いと動きが弱まり、ある一定の温度になると活発になります。
それゆえ、温かい水中にいるミジンコは活発に泳ぎ回ることで代謝酵素を多く使い、短命となってしまったのです。
これは、「一生の間に使える酵素の量には限りがある」という結論となったのです。
このことは、「代謝の強さが寿命に反比例する」という事実であり、激しい運動をするほとんどのアスリートや力士が短命であるということからもわかります。
私はこの事実を知ってからアスリートとして1日だけ悩みましたが、「大好きな事を我慢して後悔をしながら死ぬのなら、まだ好きな事をして短命の方がいい」という結論を出しました笑
酵素がたっぷりと含まれている新鮮な食物から食物酵素を取ることで酵素の消耗を防ぐことができるのをわかっているので、私はそれでケアをしています。
逆に程よい運動は寿命を延ばすことがわかっています。
適度な運動をして心臓が鍛えられることで、心臓の鼓動回数が少なくなり、酵素の消費を抑えることで長生きできるのです。
最後にラブナーの法則について書くと、「代謝量が多くなる条件」は
- 過度の運動
- 睡眠不足
- 過食による酵素の浪費
- 消化不良
などによって酵素が過剰に使われてしまった事をいいます。
私たち生命の寿命は潜在酵素の消耗度に反比例していることになるのです。
まとめ
からだは異化と同化という代謝活動を行うことで生命活動をしています。
そしてその活動には代謝酵素が必ず関わっています。
一生に使える酵素の量には限りがあり、「潜在酵素(体内酵素)の量が寿命を決めている」といいますが、激しい運動など代謝が多くなり、酵素の消費量が増えてしまうと、寿命が短くなることがわかっています。
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しかし、酵素の多く含まれている食事や適度な運動によって酵素の消費は予防できるので、酵素の事を考えながら生活をしていくことをぜひしてみてください!!
あなたの健康を願っています。