パッケージの裏を見ると、多くの加工食品に使われている乳化剤。
乳という文字が入っているのでパッと見「乳」に関係する添加物で、あまり悪いイメージを持たないかもしれません。
でも実は、乳化剤は完全なる添加物で、種類によっては身体に害をもたらす危険性もあります。
知ってるようで知らない乳化剤について、出来るだけわかりやすく書きたいと思います。
乳化剤とは?
まず、「乳化」とは何か?について説明すると、水と油のように混ざらない物質同士が混じりあう現象の事をいいます。
身近な例を挙げると、ドレッシングです。
市販されているドレッシングを見ると、油とソースが上下に分かれて分離しているのに気付くと思いますが、
ドレッシングを使用する時には最初によく振って、分離しているものを混ぜてから使うと思いますが、振ってから混ざっている状態は乳化している状態です。
でも、使用してからしばらくそのドレッシングを放置しておくと、また油とソースに分離してしまいます。
そこで乳化剤を使うと、混ぜてからしばらく経っても分離せず、つまり、乳化したままになるのです。
マヨネーズを作ったことがある人はわかると思いますが、マヨネーズの材料は主に卵と酢と油になります。
酢と油だけでは分離してしまいますが、ここに卵を加えると、卵に含まれている成分が「乳化剤」としてはたらき、酢と油が混ざったままになるのです。
卵のおかげで、マヨネーズの中の酢と油が分離せず、あの薄黄色の色を保つことができるのです。
乳化剤は他にも、ケーキやアイスクリームなどには泡立ちを良くする働きをし、パンに使用した時には、デンプンの変質を防ぐ働きもします。
乳化剤とはつまり、「乳化」をさせる添加物の総称で、用途名になります。
なぜ乳化させる必要があるのか?
メーカーにとって乳化させるメリットはなんでしょうか?
そこには理由があります。
まずは、商品の均質化です。
どういうことかというと、製品の成分同士が分離してしまうと、ムラが出来てしまって、消費者からすると、製品の質が低く見えてしまいます(私はその方が手作り感があって安心するのですが。
成分同士が安定することで、保存が長期化するメリットもあります。
他にも、舌触りが良くなり、消化吸収も良くなります。
マヨネーズが良い例で、油と酢は単体で口にするには中々キツイですが、混ざり合って乳化することでとても食べやすくなりますね。
このように、本来混ざり合わないものを乳化させることによって、メーカーにも消費者側にもメリットが複数あります。
ですので、現在では多くの食品が成分を乳化させて、販売されているのです。
乳化剤として使われる添加物一覧
ほとんどの食品の表示には「乳化剤」としか書かれていませんが、この乳化剤として使われている添加物には複数の種類があります。
合成添加物で乳化剤としてよく使われているものは以下の種類です。
- グリセリン脂肪酸エステル
- ショ糖脂肪酸エステル
- ステアリン酸カルシウム
- ステアロイル乳酸カルシウム
- ソルビタン脂肪酸エステル
- プロピレングリコール脂肪酸エステル
プロピレングリコール脂肪酸エステル以外は、食品に含まれていたり、食品に近い成分です。
なので、全体的にはそんなに毒性が強く無いです。
ショ糖脂肪酸エステルは、たくさん摂ると下痢を起こす可能性があり、よくアイスクリームに使われています。
ちなみにエステルとは、酸とアルコールから水を分離して、残った成分を縮約して合併させた化合物の総称です。
ステアロイル乳酸カルシウムは、ラットに12.5%を含むエサを食べさせた実験で、脂肪肉芽腫(炎症を起こした細胞の集まり)ができたというデータがあります。
普通のエサに替えると、この症状は回復するようなので、ステアロイル乳酸カルシウムは身体に悪影響を与える可能性があります。
プロピレングリコール脂肪酸エステルは、プロピレングリコールという自然界に存在しない化学物質と脂肪酸を結合させたもので、人工的に合成された化学物質にもかかわらず安全性が高いとされ、添加物として認可されています。
しかし、プロピレングリコール脂肪酸エステルをニワトリの卵に注射した実験では、生まれてきたヒナに小肢症(しょうししょう:小さな手足で生まれる)を発生させたという不安なデータもあります。
グリセリン脂肪酸エステルは、食用として使われている乳化剤の約半はこれが使われているというぐらい安全性が高いといわれています。
グリセリン脂肪酸エステルは、「乳化剤」ではなくこの名前のまま表示されていることも多いです。
ショ糖脂肪酸エステルも、ショ糖と植物由来の油脂を合わせて作られた乳化剤なので、安全性が高いといわれています。
これも、この名前のまま表示されていることが多いです。
乳化剤の一番怖い所は、これだけの種類の添加物を複数種類組み合わせて使っても、一括名表示が認められているので、パッケージに表示する際には「乳化剤」とだけ表示すればいいのです。
1つ1つの添加物の危険性が高く無いと判断されて、一括名表示が認められていますが、組み合わさることによって危険性が上がる可能性もあるので、多くの食品に使われている乳化剤だからこそ、1つ1つの添加物名を表示してもらいたいです。
乳化剤入りのチーズは危険
チーズには大きく分けてナチュラルチーズとプロセスチーズがありますが、ナチュラルチーズは単に乳を固めてから熟成して作られますが、プロセスチーズは色んな種類のチーズや、つなぎとなる材料を組み合わせて作られます。
当然それらだけではうまく混ざらないので、プロセスチーズには乳化剤が使われます。
そしてそこには以下の23種類もの合成乳化剤の使用が認められているのです。
- クエン酸カルシウム
- クエン酸三ナトリウム
- グルコン酸カリウム
- グルコン酸ナトリウム
- ピロリン酸四カリウム
- ピロリン酸二水素カルシウム
- ピロリン酸二水素二ナトリウム
- ピロリン酸四ナトリウム
- ポリリン酸ナトリウム
- ポリリン酸カリウム
- メタリン酸カリウム
- メタリン酸ナトリウム
- リン酸三カリウム
- リン酸三カルシウム
- リン酸水素二アンモニウム
- リン酸二水素アンモニウム
- リン酸水素二カリウム
- リン酸二水素カリウム
- リン酸一水素カルシウム
- リン酸二水素カルシウム
- リン酸水素二ナトリウム
- リン酸二水素ナトリウム
- リン酸三ナトリウム
ほぼ同じだろ!!ってぐらい似ている物質名があるのでややこしいですが、こんなにもたくさんの種類の使用が認められているのに、使用される時には「乳化剤」としか表示がされないので、消費者にとっては怖いですね。
リン酸系の添加物が多いですが、リン酸を多量に摂取するとカルシウムの吸収が悪くなり、骨がもろくなる恐れがあります。
チーズ自体にはカルシウムが豊富に含まれていて、カルシウムを摂ろうと思ってチーズを食べても、プロセスチーズには高い確率でこのリン酸系の乳化剤が使われているので、逆に骨が弱くなってしまうということが起こるのです。
ポリリン酸ナトリウムの場合では、ラットに6ヶ月与えた実験で、腎臓結石が見られたようです。
メタリン酸ナトリウムは、ラットに1ヶ月与えた実験で、尿細管に炎症が見られました。
これを知ってからは、私がチーズを買う時はナチュラルチーズ一択です。
天然の乳化剤
天然の乳化剤では有名なもので「レシチン」があります。
これは先ほどのマヨネーズの例で出てきた、卵にも含まれている成分です。
マヨネーズは、卵に含まれているレシチンが乳化させているのです。
レシチンは大豆にも含まれていて、食品添加物に使われているレシチンのほとんどは卵か大豆由来のものになります。
安全性は合成乳化剤よりも高いですが、大豆由来のレシチンは遺伝子組み換え大豆から作られている可能性もあり、そこは気になるところですが、実は遺伝子組み換え大豆由来のレシチンは危険性が低いとも言われています。
その理由は、まず遺伝子組み換え大豆の危険性の要因として、遺伝子組み換えDNAとそこから生じたタンパク質です。
しかし、レシチンを作る際の加工工程において加熱、精製された時に、危険な要因とされている、DNAとタンパク質が除去されるので、安全性が高いという意見があります。
そのため、遺伝子組み換え大豆を使用していても、加工工程でDNAやタンパク質が除去されていれば、遺伝子組み換えの表示をしなくてもよい事になっています。
まだ遺伝子組み換え食品が世に普及してから歴史が浅いのでデータも少なく、遺伝子組み換え食品が安全か危険かは100%はわかりません。
ただ、人類は歴史の中で遺伝子組み換え食品を食べてきていないので、私は避けた方がよいと思っています。
商品によっては、「レシチンの原料である大豆は遺伝子組み換えの物ではありません。」と記載されているものもあるので、そういった記載をしているメーカーの食品を選ぶのが理想です。
まとめ
乳化剤に使われている合成乳化剤のほとんどは、国からしたら安全だと思われているので一括表示が認められていますが、1つ1つの動物実験を見てみてもあまり安全だとは思いませんし。
仮に人間にとって1つ1つは安全だとしても、それらが組み合わさっても安全かどうかの実験は行われていないのでわかりません。
今では乳化剤にレシチンを使うメーカーも増えてきているので、できるだけ天然由来の乳化剤が使われている商品を選ぶようにしましょう。
国は私たちを本当の意味で守ってはくれないし、メディアはメーカーとの癒着が強いので、食品の危険性についてはほとんど取り上げません。
私たち一人一人が少しづつ勉強して何を食べるかの取捨選択していきましょう。
その手助けが少しでもできれば本望です。
あなたの健康を願っています。
引用元
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