腸内フローラの善玉菌を増やすには発酵食品がかかせません。
発酵食品には豊富な乳酸菌が含まれているので、腸の中で善玉菌のエサとなり、善玉菌が増えることによって腸内環境がよくなります。
この記事では様々な発酵食品を紹介していきます。
色々な発酵食品
現代には缶詰、ビン詰、冷凍、真空パックなどたくさんの食べ物を保存する方法があります。
しかし文明の発達していなかった大昔は工夫して、自然の方法で保存するしかありませんでした。
そこで乾燥、煙でいぶす燻製、塩を使った塩蔵 、そして発酵などがあります。
特に湿気が多く、気温の高いアジア各国には発酵食品が多く、発酵させ、常温で長持ちさせる技術が発達しました。
発酵食品を作るのに使われる乳酸菌は、植物性乳酸菌と動物性乳酸菌の大きく二種類に分かれます。
植物性乳酸菌は、「野菜のヨーグルト」と呼ばれる漬物を作るときにはたらく乳酸菌です。
植物は微生物の生育を抑制する菌も含まれますが、植物性乳酸菌はそんな環境下でも生きることができます。
また、デキストラン(粘着性の多糖類)とよばれる食物繊維と同じはたらきをする物質を生み出します。
チーズやバターなどに使われる動物性乳酸菌は、ヒトや動物の口腔、消化管に常在する乳酸菌で、ヒトの腸内では10の7~8乗個で存在しており、動物の腸内では優勢腸内細菌のひとつとして棲息しています。
抗菌性物質を産生する乳酸菌ラクトバチルス・ロイテリもこれにあたります。
漬物、発酵食品、動物性発酵食品などには、抗菌作用・解毒効果を持つ乳酸菌が産生する、バクテリオシンというタンパク質性の抗菌物質が含まれています。
この乳酸菌が、普通食べたらお腹を壊してしまうような成分を変化させ、おいしく食べれるようにしてくれます。
その乳酸菌による発酵をバイオプリザベーションといい、バイオ=バイオ(bio)、プリザベーション(preservation)=保存、という意味で、微生物により保存性を高め、うまみ成分を引き出すということになります。
東南アジアの発酵食品からは新しい菌が発見されることが多く、湿度の高い国ほど発酵食の伝統は古いようです。
日本の発酵食品
日本の代表的な発酵食品に納豆、漬物、味噌、醤油、酢、米麹などがあります。
漬物には植物性乳酸菌が豊富です。
ぬか漬けは、特にぬかにたくさんの菌が含まれているので、綺麗に洗ってしまうとほとんどの菌は洗い落ちてしまいますから、少しぬかを付けた状態で食べたほうが乳酸菌を摂取できます。
京都のすぐき漬けや、白菜漬け、野沢菜漬けなどは洗わずに食べるので乳酸菌を多くとれます。
米麹は米に麹菌を添加して発酵させてつくり、日本酒の原料になります。
米麹を使って作られる甘酒は栄養満点で、疲労回復効果がありますので、夏は夏バテ防止になり、冬に温めて飲むとからだが温まり、とても美味しいので清涼飲料水を飲むぐらいならぜひ甘酒を取り入れていただきたいです。
発酵して作られる乳製品
ウシ、ウマ、ヤギなどの家畜の乳も発酵させることにより、保存性を高め、味わいも深くなります。
仏教の大乗経典である涅槃業(ねはんぎょう)には、醍醐(チーズの元祖)や蘇(バターの元祖)という言葉が出てきており、「乳が他の食品に変化するように、人も成長を遂げる」という意味で修行の教えに使われたようです。
日本では平安時代から乳が飲まれていましたが、正し加工乳製品である醍醐や酪(乳を加熱してつくられた飲料)は高価で庶民の手には入らず、位の高かった人たちはそれらからも栄養をとっていたそうです。
上記で述べた乳製品が変化してバター、チーズ、ヨーグルトとなっていきました。
日本にも少しづつ入ってきましたが、ヨーロッパでは主流の、乳酸菌をバターに加えて発酵させた発酵バターというものもあります。
バターの風味に、ヨーグルトのような酸味と豊かな香りがあり、とてもおいしいのでぜひ食べてみていただきたいです。
動物性乳酸菌の組み合わせであるキムチ
有名なアジアの発酵食品の一つに、韓国の伝統的なキムチがあります。
1gに数億個もの乳酸菌が含まれており、腸内環境を整えたり、免疫力を高めてくれます。
キムチの酸味は乳酸菌の発酵によるものです。
韓国製の白菜は日本の白菜に比べて水分が少なく、漬物に適しています。
これに小さなエビのようなアミを発酵させた味噌や、生ガキ、生イカなどを入れて味に深みを出しています。
そんな韓国と日本の伝統食品と日本食品の合わさった納豆キムチは最強の組み合わせですのでぜひおすすめします。
こちらのキムチは国産の白菜を使用し、食品添加物無添加なのでおすすめです。
こちらは大粒納豆ですが、小粒納豆も販売しているのでお好みにより選べます。
動物性発酵食品
日本には手作りで作る、塩辛、うるか(鮎のワタの塩辛)、このわた(ナマコの塩辛)、くさややふな寿司などの生きた乳酸菌を持った保存食があります。
手作りの発酵食品の面白いところは、作った人の手の乳酸菌が影響しているため、家庭ごとに味が違うことです。
肉や魚を乳酸菌で発酵させると、発酵以外の調理では引き出せないうまみと香りがでて、保存期間も長くなります。
タイの発酵ソーセージであるネームや、ヨーロッパのハム・ソーセージは肉を発酵させて作られます。
私はタイに行ったときにネームをいただきましたが、独特の風味があり、最高のつまみでした。
食べるときにはもちろん添加物のたくさん入った、スーパーやコンビニで買えるようなものはやめましょう。
調味料にも動物性発酵食品があり、魚醤がそうです。
日本には秋田の「しょっつる」、香川の「いかなご醤油」、石川の「いしる」などが有名で、タイのナンプラーも有名です。
天然酵母のパン
天然酵母を使ったパンにも乳酸菌が含まれており、酵母種に含まれた乳酸菌のはたらきにより独特の香りや酸味が加わります。
天然酵母パンは熱を加えたら菌は死んでしまいますが、最近の研究では、死んだ菌体成分も腸で免疫力をアップさせる作用があることがわかったそうです。
全粒粉で作られた天然酵母のパンは、白いパンと比べて食物繊維とミネラルが豊富なうえ噛み応えもあり、乳酸菌も含まれているので、日常的にパンを食べる習慣のある人は、栄養のほどんど無い白いパンを食べるよりも、質の高いパンを常食するのがおすすめです。
まとめ
ここで紹介したのを含め、様々な発酵食品がありますが、「この食品がからだによい」というのは人によって違ってきます。
それは育ってきた環境によって腸内フローラの腸内細菌の種類や量が違うからです。
自分にとって何がいいのか知るには自分で色々な発酵食品を一つ一つ試して合うものを見つけていくしかないです。
先の見えない作業かと思われますが、自分がどんな文化の国で育ったのか、内陸育ちなのか、海沿い育ちか、小さい頃はどんなものを食べていたのかを探っていけば見つけやすいです。
一度見つけてしまえばいいので、ぜひ自分に合った発酵食品探しを楽しんで行ってもらえたらと思います。
こちらの記事でも腸によい食品を紹介しているのでぜひ読んでいただけたらと思います。
あなたの健康を願っています。