少しづつからだに蓄積していった有害化学物質は、ある日突然病気の症状となって現れる可能性があります。
化学物質は皮膚の中に侵入してしまうと脂溶性なので蓄積してしまいます。
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この記事ではからだに蓄積してしまった有害化学物質がどもような病気を引き起こしてしまうのか?書いていきたいと思います。
経皮毒は自覚症状が出ない
経皮吸収された化学物質が経皮毒化され病気が発症しても、その病気に至る過程や原因物質が特定できません。
たとえ人体に有害な物質を企業が使って製品を作っていてもそれだけがその病気の原因とは言い切れないので、よっぽどの被害が出なければ安全基準には引っかからないからです。
これが経皮毒が蔓延している理由の一つで、どうにかしなければなりません。
国によっては使ってもよい化学物質をもっと厳しくしているところもありますが、今の日本ではまだまだ先の話になるでしょう。
経皮毒の症状は突然現れます。
たとえば、急にいつも使っている洗剤による酷い手荒れや、背中にボツボツができたり、化粧品にアレルギーを起こし始めたり、花粉症が出始めたりなどです。
こんなときは化学物質がかなりからだの中に蓄積している可能性が高いです。
アレルギーとの関係
アレルギーはアレルギーの原因となるアレルゲンによって発症しますが、経皮毒もアレルゲンとなり、アレルギーを促進します。
洗剤などの日用品には溶解補助剤や合成界面活性剤などの、皮膚のバリアーを壊して化学物質を皮膚から吸収させるのを促進する物質が使われています。
これらの成分は用途としては皮膚や髪の毛についた汚れや油を取り除くために入れられた成分ですが、これが経皮毒となってしまうのです。
アレルギー体質の人がそれらの成分が入った日用品を毎日使い続けているとIgeという抗体が作り出されます。
このIge抗体は、抗原を攻撃するだけではなく生体にも傷をつけてしまうので、過剰な免疫反応が起こることでアレルギーとなります。
そのアレルギー反応が鼻水、鼻づまり、くしゃみ、蕁麻疹、喘息発作などのアレルギー症状、最も重い症状ではアナフィラキシーショック(呼吸困難や血圧低下、全身の痙攣、意識消失などのショック症状)を起こすことがあり、死に至るケースもあります。
継世代毒性
実は母親が体内に蓄積した化学物質は、妊娠した際にお腹にいる胎児に受け継がれてしまい、これを「継世代(けいせだい)毒性」といいます。
これはさらに、母親から子供へ、子供から孫、その先のひ孫へと化学物質が受け継がれていく毒性です。
化学物質が受け継がれても遺伝と違い、受け継がれた全員に同じ症状が出るわけではありません。
しかし何かしらの悪影響を与える危険性は常に潜んでいます。
現在、胎児期に胎内で有害な化学物質を取り込んでしまったことによって免疫システムに影響が起き、それが子供に多いアトピー性皮膚炎や喘息を増加させていると考えられています。
胎児は有害化学物質の侵入を防ぐ術を持っていませんし、とても繊細にからだの各器官を作り上げている途中です。
ここで母親から有害化学物質を受け継いでしまうと、生後に様々な病気や障害の発症に影響を与えてしまう可能性があります。
婦人病との関係
日用品に含まれる有害化学物質は、婦人病や生理痛の1つの要因となっている可能性も指摘されています。
いくつかの化学物質は、体内に入った時に環境ホルモンという物質となって蓄積してしまうことがあり、合成界面活性剤に含まれる成分ではノニルフェノールやオクチルフェノールという物質が環境ホルモンだと認定されています。
環境ホルモン分析(外因性内分泌攪乱化学物質調査) – ユーロフィン
環境ホルモンの問題点は、化学物質が生物の持つホルモンと似たような作用を引き起こすことで、それが生体ホルモンのバランスを崩すことで人や動物に大きな健康被害をもたらします。
環境ホルモンは生態系の破壊も危惧されており、特に女性ホルモンであるエストロゲンに似た作用を示すものが生態系を破壊してしまうといわれています。
河川や海に流れ出た環境ホルモンがそこに生息する魚や動物の体内に蓄積されることで、それがやがて食物連鎖を通して魚介類の奇形や受精率の低下を招いています。
環境ホルモンの影響により、多摩川に生息する鯉の70%がメス化しているとの報告があります。
https://www.tokyokankyo.jp/kankyoken_contents/research-meeting/h17-01/1704-pp.pdf
生殖器官への影響
環境ホルモンは男女の生殖器官にも悪影響を与えています。
近年、若い女性の間では子宮筋腫や子宮内膜症が増えており、10代での発症も急激に増えているといいます。
これらの症状も環境ホルモンのエストロゲンが原因で、月経周期や出産のメカニズムを乱していると考えられています。
男性では無精子症や奇形児出産の原因として合成界面活性剤が懸念されており、合成界面活性剤は精子を殺す作用をもっているため、避妊具にも使用されています。
実際に合成界面活性剤とこれらの原因の関連性は明らかにされていませんが、経皮吸収の危険性を考えると、環境ホルモンがなんらかの影響を与えている可能性は高そうです。
ガンとの関連性
経皮吸収による経皮毒でのガンにかかる危険性としては、皮膚ガンが指摘されています。
皮膚に触れる日用品としてシャンプー・リンス、洗濯用洗剤、柔軟剤などがありますが、これらには溶解補助剤・合成界面活性剤だけでなく、保存剤などのアレルゲン物質や環境ホルモン、発ガン性物質まで含まれています。
これらが危険視されるのは脂溶性のものが多く、日用品なので毎日使うことで経皮吸収され、皮下組織(皮下の脂肪組織)に長期間残留することで皮膚ガン誘発の可能性が考えられているからです。
特にアトピー性皮膚炎や接触性皮膚炎(かぶれ)を発症したことがある人は皮膚のバリアーが普通の人よりも弱くなっており、必要以上に紫外線を浴びることで皮膚疾患や皮膚ガンにかかる危険性もあります。
1980年に南極のオゾン層破壊が報告されて以来地球に降り注ぐ紫外線の量は格段に増加しており、皮膚ガンは世界規模で増加しています。
アメリカでは1930年代と比べて約10倍(150人に1人の割合)に増加しているそうです。
経皮毒によって皮膚の機能が弱り、そこに人間のせいで壊れてしまったオゾン層の穴から漏れた紫外線を浴びることによってガンを発症する...
全部私たち人間が引き起こしたことですね...
まとめ
- 経皮毒は自覚症状がないので、原因が思い当たらない症状がからだに出たときは経皮毒の可能性があります。
- 毎日つかう日用品に含まれる化学物質がアレルゲン(アレルギーの元)となってアレルギーを引き起こすことがあります。
- 継世代毒性といい、母親のからだに蓄積されている化学物質は子供、その子供と受け継がれていきます。
- 化学物質の中には体内に入った時に環境ホルモンとして作用し、それが生物に健康被害を与え、生殖器官にも悪影響を与える可能性が高いです。
- 皮下組織に溜まってしまった有害化学物質は皮膚ガンを発ガンさせる可能性があるだけでなく、皮膚のバリアー機能が弱ったことで紫外線による皮膚ガンのリスクの高くなる。
ほとんどの人が、まさか自分が普段使っている日用品がこんな病気を引き起こすとは考えてもいないと思います。
しかし、毎年原因不明の新しい病気が増えており、それらは現代の社会に蔓延している様々な毒によるものの複合的な汚染によるものだと私は思っています。
この経皮毒もその要因の一つだと思うので、1人1人が意識をしてリスクは排除していきましょう!!
あなたの健康を願っています。