多くの食品に食品添加物が使われていて、着色料は特に多くの食品に使われています。
用途としては食品の見栄えをよくし、食欲を湧きたてるために使われていますが、その一方で体にとって有害だと思われる様々な研究結果が存在しています。
添加物には化学合成された合成添加物と、天然由来の成分を抽出して作られた天然添加物の2種類が存在しますが、これは着色料でも同じです。
添加物についてはこちらの記事に書いているので読んでみてください。
着色料も種類が多いので、今回は合成着色料についてフォーカスして書いていきます。
合成着色料とは
合成着色料の総称を「タール色素」といいます。
これは、19世紀後半にコールタール(石炭を加熱して分解した際の副産物)を原料として生成され、そこからタール色素と名付けられました。
しかし、コールタールは1915年に日本の病理学者である、山極勝三郎と市川厚一がウサギの耳にコールタールを塗り続けるという実験を行い、世界初の発ガン物質と認定されました。
それからタール色素の原料はコールタールから石油製品に変わりました。
タール色素は食品だけでなく、医薬品や化粧品など、日常のありとあらゆる製品に使われています。
独特の化学構造を持っていて、「アゾ結合」や「キサンテン結合」といい、こういった化学構造をもった物質は発ガン性や催奇形性(お腹の子供に先天性の障害をもたらす毒性)のあるものが多く、このタール色素にもその疑いがあります。
タール色素は自然界には存在しない化学物質のため、体に取り込まれた場合に非常に分解されにくく、ホルモンや免疫システムを乱してしまう可能性があるため、出来る限り避けたほうがよい物質です。
合成着色料の種類
食品添加物として現在認可されているタール色素は全部で「12種類」あります。
信じられないくらい多くの製品に使われているので、ぜひ着色料については覚えていただきたいです。
少し多いですが1つづつ書いていきますね。
青色系着色料
青色はとても綺麗で人気の色ですが、青色の植物や動物は自然界にはほとんど存在しません。
この画像の青色のバラも本来自然界には存在せず、人間の手で遺伝子組み換えによって作られました。
青はあまり食欲を掻き立てる色でもないので、多くの食品には使われていませんが、有名なものでいうとかき氷のブルーハワイのシロップや青色のキャンディーなどによく使われています。
青系の着色料は2種類あるので紹介していきます。
青1
有名なものでブルーハワイに使われていて、鮮やかな青色に着色することができます。
この青1を2~3%含んだ液体1㎖を1週間に1回、94~99週の期間ラットの皮膚に注射し続けた実験では、76%以上のラット(実験用白ネズミ)に繊維肉腫(皮膚にできるガン)が発生したという結果が出ています。
しかし、この実験は注射での摂取による実験で、私たちがこの添加物を摂取する時は基本的には経口になりますので、この実験結果は重要視されておらず、まだ日本ではこの青1を食品添加物として使用することを認めています。
それでもラットの実験結果から考えると発ガン性が0である可能性は考えにくいので、私は青1が使われている食品を出来るだけ口にしないようにしています。
特徴
- 急性毒性は無いが発ガン性の疑いあり
青1がよく使われている食品
- 清涼飲料水
- お菓子
青2
こちらも青1と同じように、80匹のラットに青2を2%含んだ水溶液を1週間に1回の注射を2年間続けた実験では、14匹に繊維肉腫ができて、転移したものもあるという結果が出ています。
これも注射による実験なので、この結果をそのまま人間に当てはめて考えられてはいません。
こちらは経口摂取による実験も行われていて、青2を0.5%、1%、2%、5%の割合で含むエサをラットに2年間食べさせ実験があります。
結果は、2%と5%のエサを食べた群のオスの成長が悪くなり、大量に摂取した青2を消化器官がうまく処理できずにこういう結果になったと考えられています。
特徴
- 急性毒性は無いが、発ガン性の疑いあり
青2がよく使われている食品
- お菓子
- 飴・キャンディー
- 冷菓
緑色系着色料
緑もあまり食品に使われていませんが、有名なものではメロンソーダに使われています。
メロンソーダを好きな人は多いと思いますが、飲み過ぎには注意したいですね。
あとは抹茶系のお菓子やキャンディーにもよく使われているので注意が必要です。
種類は1種類です。
緑3
緑3を含む水溶液1㎖ を1週間に1回、94~99週間ラットに注射をした実験では、76%に注射をしたところにガンが発生しました。
同じように行われた別の実験では、筋肉、腹膜、肋骨にガンが発生して、肺に転移するケースもあり、悪性のガンが発生しました。
こちらも注射による実験なので、添加物の危険性としては認められていません。
特徴
- 急性毒性は弱いが発ガン性の疑いあり
緑3がよく使われている食品
- 飴・キャンディー
- 清涼飲料水(メロンソーダなど)
赤色系着色料
赤系の着色料は多くの食材に使われています。
赤色の着色料の種類は色の中でも一番多く、毒性の高いのも多いです。
いちごのシロップや安い漬物、練り物類にも多く使われているので、よくパッケージの裏を見て赤色系の着色料が入っていないか確認するのをおすすめします。
私は赤系の合成着色料が入っている食品は出来る限り避けるようにしています。
種類は7種類もあります。
赤2
アメリカでは1976年にラットを使った実験で赤2に発ガン性の疑いがあることがわかり使用禁止となりました。
日本ではその実験の際に動物の混同などのミスがあったために実験結果を認めず(アメリカはそのミスも考慮して使用禁止にした)、いまだに認可しています。
ラットの妊娠率を低下させ、死産率を高めるという報告もあります。
特徴
- 発ガン性の疑いあり
赤2がよく使われている食品
- いちごのシロップ
- 冷菓
- 清涼飲料水
赤3
タンパク質となじむため、なるとやかまぼこによく使われるが、赤102程多くは使われていません。
赤3を5~50㎎を週に2回、6ヶ月間ラットに与えた実験では、赤血球の数が減り、貧血を起こす可能性が高くなります。
甲状腺に腫瘍の増加が認められた実験結果もあります。
実際に私たちが口にする食品に加えられる赤3の量は、動物実験に使われるエサに加えられる量に比べればずっと少ないですが、自然界に存在せず、体で分解されにくい化学物質なので、体に入れることは避けた方がよいです。
特徴
- 急性毒性は弱いが、慢性毒性がある
赤3がよく使われている食品
- なると・かまぼこ
- ケチャップ
- 焼き菓子
- レッドチェリー
赤40
赤40は日本では1991年に使用が認められた比較的新しい添加物です。
これより前から北米では使用されていましたが、その当時日本では使用が認められていなかったため、北米の食品を日本に輸出できませんでした。
そこで日本政府に圧力をかけて認めさせました。
赤40は化学構造が発ガン性の疑いの強い赤2と似ているため、あまり多くのメーカーはこれを使用していません。
化学物質が細胞をガン化させるのは、その遺伝子にくっついて細胞が分裂する際に遺伝子の形を変えてしまうからです。
そこで細胞は突然変異を起こすことで異常な細胞になり、これがガン化につながります。
赤2にこのような作用があるので、化学構造の似ている赤40は発ガン性が同様に懸念されています。
特徴
- 発ガン性の疑いが強い。
- アレルギーを起こす可能性あり
赤40がよく使われている食品
- キャンディーやチューイングガム
- ジャム
赤102
これまでの実験でガンを発生させたというデータはありませんが、化学構造からみて体の中で分解されづらく、細胞や遺伝子への影響、発ガン性が疑われています。
ラットに赤102を2%含むエサを90日間食べさせた実験では、赤血球の数が減少し、GOTとGPT(肝細胞にある酵素で、肝機能が低下するとこの数値が上昇する)は上昇しました。
特徴
- 発ガン性の疑いあり
- 子供がジンマシンを起こす可能性あり
赤102がよく使われている食品
- うめ
- 紅しょうがや福神漬け
- ジャム
- キャンディー
- ゼリー
赤104
細菌の遺伝子を突然変異させることがわかっており、発ガン性の疑いもあり、あまり多くの食品には使われていません。
外国でもほとんど使われていないようです。
それだけ危険性が高いのでしょう。
特徴
- 発ガン性の疑いが高い
赤104がよく使われている食品
- 焼き菓子・生菓子
- かまぼこやソーセージ
- 飴
赤105
赤105を0.04%と少量含ませたエサを20ヶ月間食べさせ続けた実験では、2ヶ月以降食べる量が減り、成長が悪くなりました。
1%を含むエサを与えた実験では、甲状腺の重さが増え、肝細胞にある酵素のGOTとGPTの値が明らかに上昇しました。
肝臓の酵素の値が上昇したのは、肝臓の細胞が壊れているからで、これは肝臓には有害な化学物質を解毒するはたらきがあり、赤105が負担となって細胞が壊れた可能性があるということです。
特徴
- 急性毒性は弱いが慢性毒性が認められている
赤105がよく使われている食品
- みつ豆・寒天
- かまぼこ・なると
- ソーセージ
- レッドチェリー
赤106
動物に赤106を食べさせると肝臓に多くたまり、そこで作られる胆汁酸に濃縮されます。
赤106は細菌の遺伝子を突然変異させたり、染色体を切断する作用があるので、細胞のガン化と深い関係があり、これが動物と同様、人間が赤106を含んだ食品を食べ続けると肝臓に多く集まるので、肝臓の細胞に悪影響を及ぼさないか懸念されています。
外国ではほとんど使用されていないようです。
特徴
- 発ガン性の疑いあり
赤106がよく使われている食品
- しょうがの漬物などの赤(ピンク)色の漬物
- 魚肉ソーセージ
- 桜エビ
- ハム
- 焼き菓子
黄色系着色料
黄色の着色料のが使われている食品の代表はたく赤んです。
やたら黄色いたくあんには着色料が使われているので注意が必要です。
あとはバナナ味のお菓子や、キャンディーなどにも使われているので注意が必要です。
黄4
黄4を1%含むエサでラットを育てた実験では、体重が減り、2%を含むエサでは下痢を起こすという結果が出ています。
人間や動物が下痢を起こすのは基本的には体に害のある物質が入ってきた時にそれを素早く排泄するためです。
したがって、自然界に存在しない化学合成物質である黄4は体の中でうまく処理をされず、下痢が起こったと考えられています。
他には細胞の染色体を切断する作用があり、細胞のガン化と関係があるとされています。
特徴
- 急性毒性は弱いが、人間が摂取すると人によっては体の拒否反応としてジンマシンえお起こすことがある
黄4がよく使われている食材
- 黄色の漬物(たくあん等)
- あめ・キャンディー
- 和菓子
- 焼き菓子
- カズノコ入り惣菜
- かき氷シロップ
- 練ウニ
黄5
黄5を1%含むエサを犬に2年間食べさせた実験では、体重が減り、下痢を起こした結果が出ています。
これも体がうまく処理出来ずに早く排泄しようとした結果だと考えられています。
黄5を0.5~5%含むエサを犬に2年間与え続けた実験では、乳腺腫瘍が増えたという疑いがもたれ、それを確認する為に1%、2%の黄5を含むエサを2年間100匹のラットに食べさせる実験が行われました。
この結果では腫瘍の発生は認められなかったので、今も使用が認められています。
特徴
- 急性毒性は弱いが、人によってはジンマシンを起こすことがある
黄5がよく使われている食品
- お菓子
- 清涼飲料水
- 佃煮・漬物
- 農水産加工品
白色系着色料
食品を白色に着色する為に使われ、代表的なものでホワイトチョコレートやチーズなどに使われています。
種類は少ないですが、毒性が高いのでできれば避けたいです。
二酸化チタン
チタン鉱石を処理して作られます。
つまり「鉱物」を食品添加物として添加しているのです。
クレヨンや陶磁器の釉薬(ゆうやく:ツヤや光沢を出すためにコーティングする時に使われる)にも使われています。
なぜこんなものを食品に使うのか・・・
ラットに1㎥中に250mgの二酸化チタン塵を1日6時間、1週間のうち5日間を2年間
吸わせた実験では、肺がん発生率の増加が見られました。
食べさせたわけではないのでこの実験が食品として摂取した場合の評価にはできませんが、私は少しでも毒性のある添加物は避けるべきだと思います。
特徴
- ラットに二酸化チタン塵を吸わせた実験では、肺ガン発生率が増加した。
二酸化チタンがよく使われている食品
- チーズ
- ホワイトチョコレート
- ヨーグルト
- マシュマロなどの白いお菓子
私の合成着色料への考え方
合成着色料は添加物の中でも毒性の高い添加物です。
発ガン性の疑いがあるものが多いからです。
私はパッケージの裏を見て、着色料の欄に上記の合成着色料が使われている場合は、自分でお金を払って購入することはありません。
人からいただいたものでしか口にすることが無いようにしています。
合成着色料は結構毒性の高い添加物なのにもかかわらず、よくお菓子やアイスに使われているので、子供に食べさせるお菓子、アイス類などには合成着色料の使われていない物を選ぶようにしましょう。
天然着色料についても書いているので読んでみてください。
あなたの健康を願っています。
引用元
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