pH調整剤という単語を見たことがあるでしょうか?
コンビニやスーパーなどで売られている食品表示の裏を見てみると、ほとんどの食品に使われているのが確認できます。
とても多くの食品に使われているのに、pH調整剤がどういったものか?というのを知っている人は多くありません。
今回はpH調整剤についてわかりやすく書いていきたいと思います。
pH調整剤とは?
まずpH(ペーハーやピーエッチと呼びます)というものについて説明しますが、これは、食品の酸性、アルカリ性の度合いを示す数値の名前です。
pH値7を中性として、それよりも下の数字を酸性、上の数字をアルカリ性とします。
pH値が7よりも下がれば上がるほど酸性が強く、上がれば上がるほどアルカリ性が強くなります。
食品の味や食感は、このpH値の微妙な変化によって変わってくるので、pH調整剤を使うことによって、このpHを調整しているのです。
pH調整剤として使われる物質はクエン酸やコハク酸などの【酸】が多く、酸味料(酸味を付ける添加物)としても使われています。
酸味料としての他、保存性を高めるためにも使われていて、コンビニやスーパーなどで売っているほとんどの弁当や総菜、おにぎり、サンドイッチなどに使われているのはそのためです。
「pH調整剤」という名前は一括表示名であり、実は多くの添加物がpH調整剤として使われています。
※一括表示についてはこちらで詳しく説明しているので読んでみてください。
pH調整剤として使われている物質は以下のとおりです。
- アジピン酸
- クエン酸
- クエン酸三ナトリウム
- グルコン酸
- グルコン酸カリウム
- グルコン酸ナトリウム
- グルコノデルタラクトン
- コハク酸
- コハク酸一ナトリウム
- コハク酸二ナトリウム
- 酢酸ナトリウム
- DL‐酒石酸(しゅせきさん)
- L-酒石酸
- DL‐酒石酸水素カリウム
- L-酒石酸水素カリウム
- DL‐酒石酸ナトリウム
- L-酒石酸ナトリウム
- 炭酸カリウム(無水)
- 炭酸水素ナトリウム
- 炭酸ナトリウム
- 二酸化炭素
- 乳酸
- 乳酸ナトリウム
- 氷酢酸
- ピロリン酸二水素二ナトリウム
- フマル酸
- フマル酸一ナトリウム
- DL-リンゴ酸
- DL‐リンゴ酸ナトリウム
- リン酸
- リン酸水素二カリウム
- リン酸二水素カリウム
- リン酸水素二ナトリウム
- リン酸二水素ナトリウム
こうして並べて見てみると、先ほども書きましたが、物質の名前に「〇〇酸」が多く、それに「ナトリウム」を結合させたものが多くなっています。
元は食品に含まれている酸が多いので、摂りすぎなければそこまで危険性はありませんが、ナトリウムを同時に摂取することになってしまうので、多くの食塩を日常的に摂取している日本人はナトリウムの摂り過ぎになってしまう心配があります。
もう一つ、リン酸系の物質が多いのも気になるところで、「リン」は様々な食品に含まれており(ほとんどのタンパク質系の食材)、多くの人が日常的に多くのリンを摂取しています。
そこにプラスして添加物としてもリンをとってしまうと、リンの摂り過ぎとなり、リンは過剰摂取をするとカルシウムの吸収を妨げてしまうので、骨がもろくなってしまい「骨粗鬆症」になるリスクが高まってしまいます。
骨粗鬆症の人が増えているのも、多くの加工食品に含まれているリンが一部要因になっているともいわれています。
しかし、こんなにも多くの添加物を何種類使っても、「pH調整剤」と表示するだけでいいので、私たちはどの食品にリン酸がpH調整剤として使われているかすらわからないのです。
もっと消費者に対しての表示を透明化してほしいですね。
以下では、pH調整剤として多く使われている物質の紹介をしたいと思います。
クエン酸
これはほとんどの人が聞いたことがある物質ではないでしょうか。
元はレモンやミカンなどの柑橘系の果物に多く含まれている酸で、化学合成されたものがpH調整剤として使われています。
多くの食品に使われていますが、特にスーパーやコンビニのおにぎり・弁当に、保存性を高めるために使われています。
フルーツ系の酸味を強める目的としても使われています。
危険性はほとんどなさそうです。
クエン酸ナトリウム
クエン酸にNa(ナトリウム)を結合させたもので、特に安全性に問題はなさそうです。
クエン酸と同じように使われますが、Naが結合しているので、塩分を同時に摂取することになります。
酢酸ナトリウム
名前の通り、酢酸とナトリウムを結合させたものです。
pH調整剤として味付けや保存性を高めるために使われている他、酸味料としても使われています。
コンビニ弁当の具材によく使われていて、ナトリウムを摂取することになる以外は特に問題はなさそうです。
重曹(炭酸水素ナトリウム)
pH調整剤や、膨張剤として使われます。
ベーキングパウダーの主成分です。
昔カルメ焼きを理科の実験で作ったのを思い出します。
砂糖が膨張してお菓子になるのには衝撃を受けた思い出があります。
重曹を犬に3~4週間連続して口から与えた実験では、総量が150gになると嘔吐や下痢を起こし、衰弱して死亡しました。
胃腸薬としても使われ、その際1日2約3~5g内服します。
潰瘍がある人が飲む場合は胃に穴があく危険性があります。
過度に摂取すると少し不安が残ります。
乳酸
デンプンを糖化し、そこに乳酸菌を加えて発酵させて分離するか、化学的な合成方法でも作られます。
多くの清涼飲料水、日本酒、ドロップ、ゼリー、アイスクリームなどに使われています。
ラットに1日に体重1㎏あたり1.5gの乳酸を3ヶ月与えた実験では、ラットの体重がいちじるしく減り、赤血球とヘモグロビンも減りました。
乳酸は酸の一種であるため、一度に大量に与えられたことにより腸管が刺激され、その影響で体重が減ったと思われます。
自然の食物に含まれたりしている乳酸の安全性はそこまで問題ないと思いますが、化学合成された乳酸は毒性のあるアルデヒド類から作られているので、あまり良くないです。
しかし、化学合成されたかの記載はもちろんないので、「乳酸」が原材料名の中に入っていない商品を選ぶのが一番です。
まとめ
一括表示の許されているpH調整剤は、比較的安全な添加物、少し危険性のある添加物、どちらが使われていても消費者には見分けることができません。
なので、どうしても避けたいという人は加工食品の買う量を減らし、加工食品を購入する際にはしっかりとパッケージ裏の表示を確認し、pH調整剤の使われていない食品を選ぶようにしましょう。
一括表示の許されている添加物は危険性がそこまで高くないからというのもありますが、それでももっと消費者に優しい表示にしてほしいですね。
私たちがpH調整剤の使われている食品の購入を減らすことでしか企業に気付いてもらうことはできないので、食品を選ぶ際には、「自分の買い物によって企業が良くも悪くもなる」ということを考えながら購入できるといいですね。
あなたの健康を願っています。
引用元
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