カドミウム。
聞いたことはあると思いますがどんな物質かわかりますか?
イタイイタイ病で有名になった物質ですが、有害な重金属の一種になります。
このカドミウム、日本人は世界で一番消費しているといわれています。
カドミウムの害、そして体に溜めてはいけない理由を日本人として知っておくべきです。
- カドミウムの害とイタイイタイ病
- カドミウムが体に入ると何が起こるのか?
- 日本が世界最大のカドミウム消費国の理由
- 日本人は主に米からカドミウムを摂取している!
- カドミウムに関しては玄米の方が危険?
- 防ぎようのないカドミウムはデトックスで排出する
カドミウムの害とイタイイタイ病
カドミウムが原因による最も有名な公害として、「イタイイタイ病」有名です。
この病気が発生したのは大正時代で、富山県にある、神通川(じんずうがわ)の中・下流域の住民が被害に遭いました。
主に妊婦や子供を産んだことのある経産婦が膝や腰に神経痛のような痛みを感じたり、骨がもろくなり、簡単に骨折するようになりました。
全身に激痛が走る為、患者が「痛い痛い」といつも言っていたので、イタイイタイ病と名付けられました。
聞くだけで恐ろしい病気ですね・・・
昭和時代になってからこの病気が世の中に知られるようになり、昭和43年(1968年)に裁判によって日本最初の公害病として認定されました。
この原因がカドミウムで、神通川上流にある三井金属鉱業神岡鉱業所が、亜鉛を精錬した後に出るカドミウムを排水と一緒にそのまま川に流していました。
それが水質と土壌を汚染し、汚染された水田や畑から穫れた農作物や汚染された川の水を長期間摂取した住民が、カドミウム中毒を引き起こしたのです。
亜鉛とカドミウムは同じ鉱石に含まれていて、重量比では約20%がカドミウムです。
カドミウムが体に入ると何が起こるのか?
カドミウムが体内に入ると、まずは腎臓に悪影響を及ぼし、腎機能障害を起こします。
さらに甲状腺にも影響し、骨からカルシウムを放出するように作用します。
その結果、骨粗鬆症のような状態になって骨がもろくなり、折れやすい状態になってしまいます。
こうなると体中の減骨が折れやすくなり、背骨を骨折すると体が小さくなります。
すると、内臓が圧迫されるので、骨の痛み+内臓圧迫の痛みで、少し体を動かしただけで激しい痛みがあり、そのまま衰弱して死亡してしまうのです。
カドミウムを大量に摂取するとイタイイタイ病や水俣病を発病してしまいますが、大量に摂取しなくても、微量な有害金属が体の内部に徐々に蓄積していくことでも様々な障害が起こってしまいます。
私たちの体は気づかない間に少しづつカドミウムによって汚染され続けています。
日本が世界最大のカドミウム消費国の理由
カドミウムは自然の鉱物や銀・銅・亜鉛などの金属などともに土壌の中に元から存在している重金属です。
日本各地に銅、亜鉛、鉛の鉱山や鉱床がありますが、カドミウムはそういった鉱山の開発や鉱物の精錬(不純物の多い金属から純度の高い金属を取り出す過程)などによって地中から掘り出され、環境中に排出されてきました。
日本は年間に約7000トンのカドミウムを消費していて、これはフランスの約3倍、アメリカの約6倍になり、世界全体の消費量の約3分の1を占めている世界最大の消費国となっているのです。
そしてその多くは携帯電話などに使われるニッケル・カドミウム電池(ニッカド電池)に利用されています。
そのニッカド電池の製造工場からの排水などに混じってカドミウムが排出されていると考えられています。
さらに、本来ニッカド電池は注意して適切に処理しなければならないのですが、回収率が20%と低く、ほとんどがごみ焼却場で焼却されたり廃棄物埋め立て地に埋められたりしています。
そこからカドミウムが排煙に混じったり、雨水に溶けだしたりして環境の中に排出されているのです。
それらのカドミウムは徐々に土壌に蓄積し、汚染していきます。
そして水田や畑を汚染したカドミウムは作物に吸収されて、食物として人の体内に入っていきます。
カドミウムを含んだ植物をエサにした家畜も体内にカドミウムを蓄積させて、その肉を食べて同じように人の体内に入っていきます。
すなわち、とても多くの生鮮食品にカドミウムは含まれているということです。
この表を見ていただくと、いかに多くの食品にカドミウムが含まれているかがわかります。
農作物等に含まれるカドミウムについて | 政策提言 | 日本生活協同組合連合会
日本生活協同組合連合会は、日本人が摂取しているカドミウムは主に食品から摂取していて、1人1日平均30~50マイクログラムであるそうです。
WHOは暫定耐容摂取量(長期に渡って摂取しても健康に害が及ばないとされる量)を1週間に体重一キログラムあたり7マイクログラムとしています。
考えてみるとこれは、体重が50キロの人だと、350割る7で1日あたりの摂取量は50マイクログラムとなり、安全基準のギリギリとなります。
欧米諸国は1日のカドミウム摂取の平均が20マイクログラムとなり、日本はそれらの国と比べると2倍以上のカドミウムを毎日摂取していることになるので、全く安心できません。
動物実験ではカドミウムは奇形を促すことが確かめられていて、妊婦が摂取したカドミウムが胎盤を通して胎児に移行するという報告もあります。
日本人は主に米からカドミウムを摂取している!
残念な事に、日本人の食品からのカドミウム摂取で最も割合の高い食品は、私たちの主食であるお米で、約50%の割合という恐ろしい現実があります。
次いで魚介類、野菜類と続いていきます。
主食であるお米がカドミウムの摂取源になってしまっているのはとてもショックなことです・・・
全国各地のお米を食糧庁が管理していて、カドミウムについても食糧庁が各地の米を分析・調査しています。
私たちはどの地域のお米にカドミウムが多く含まれているのかとても知りたいところですが、食糧庁はお米の産地ごとのカドミウムが含まれている量を公表しておらず、私たちは現状どの地域のお米にカドミウムが多く含まれているか知るすべがありません。
これは個別のデータを公表することで、多くの人が混乱し、カドミウム含有量の多い地域のお米が全く売れなくなってしまうのを避けるためでしょう。
これは冷静に考えれば怖い事です。
自分たちが食べているお米が、産地によっては多くのカドミウムが含まれている可能性があるのに、それを知ることなく食べてしまっているのです。
カドミウムに関しては玄米の方が危険?
健康の事を考えて玄米を食べている人は多いと思いますし、実際に玄米には白米と比べて多くの微量栄養素が含まれており、体に良いと言われています。
しかし、カドミウムの含有量に関しての話になると話は変わってきます。
カドミウムはお米の外側にある薄皮の部分に蓄積されるからです。
したがってカドミウムの含有量に関しては、精製されている白米の方が玄米よりも少ないのです。
さらに、有機農法で作られたオーガニックのお米で農薬の心配は無くても、カドミウムは水田や土の中、田んぼに引き込む河川水から容赦なく入り込んでくるので注意が必要になります。
食品のカドミウム汚染問題は、わかっていても政府が細かな情報を開示しない限り、食品から摂取するカドミウムを自分の力で防ぐことは難しいのです。
防ぎようのないカドミウムはデトックスで排出する
カドミウムは前述した通り、体に入ってくるのを避けるのは現状は不可能に近いです。
どうすればカドミウムの害を防げるかというと、デトックスしかありません。
しっかりと便通を良くしたり、汗を流したり、デトック作用のある食材を食べるしかありません。
私はそれらを意識しつつさらにイオンクレンズを行って体の中の重金属を排出しています。
詳しくはこちらで書いています。
私はお米に含まれているカドミウムが食品中の割合で一番高い事を知った時にはかなりショックを受けました。
かといっていきなりお米を食べないで生活して行くわけにもいかず、何よりもお米は好きなのでこれからも食べ続けていきたいです。
だからこそ私はデトックをしっかりして、体の中にカドミウム等の有害重金属を体の中に蓄積させないようにしています。
日本人として健康を維持しつつお米を食べ続けるためにも、デトックスは意識して行っていきましょう。
あなたの健康を願っています。